2021年7月9日金曜日

個展のお知らせ






家原恵太 個展「Wonder」 

7月27日(火)〜8月8日(日) 15:00~19:00

月曜休廊 ※最終日は18:00まで


Art Spot Korin

605-0089 京都市東山区元町367-5

075-746-3985

https://artspotkorin.wordpress.com



少し前までは「家」や「人々の記憶」といった不特定多数の対象物(大きな括り・概念というべきか)を作品のテーマにしていた。

今回の展示で描かれたモチーフは、どれも身近な場所にあったものを選んでいる。


家で過ごせば目の前には毎日おもちゃが並ぶ、そこには何か物語性をうっすらと滲ませて。

スマホでSNSを見れば、動物やペットの画像がたくさん更新されている。

近所を散歩すれば、そこに住む人々の何気ない習慣が生み出した、意味不明の静物が立ち並ぶ。


昨年から始まったコロナ禍で、生活の行動範囲が制限されたことで、モチーフを見る視点が接写ぎみになっている気がする。

でも振り返ったら、10年前くらいに制作してた時も、同じような目線で描いてたことを思い出している。

10年そこらでは、人の考え方はそう大きく変わらないものかもしれない。

楽しく在ることが、この展示の示したいことである。

2016年9月19日月曜日

2016 個展「castle」展示風景・作品 ギャラリーいのくま亭 京都
















the beginning of the adventure “冒険のはじまり”
2016 
32.6×26.5×5cm
ボード紙 , 下地剤 , パテ , 木製フレーム , 接着剤 , 製本テープ





night sentry “夜番”





church “教会”





atelier “工房”





barrier “関所”


consept

私は最近、新しい住まいに移り住みました。

たくさんの物件の中で、幾つかを見学しにいきました。
生活の面影が微塵も残っていないそれらの家屋は、
町の風景の中にぽっかり穴があいたような、なんだか闇に吸い込まれていきそうな気がして、
言い難い虚無感を覚えましたが、同時に神秘的な雰囲気をも感じました。
 
ところで、日本では家の主人のことを「一国一城の主」と表現することがあります。

かつて戦国時代に、一国一城令が徳川幕府により発令され、それまで何千とあった城をほとんど廃城にし、各 領国の大名のみが居住を許されました。勢力の統制を図り、徳川家の全国支配をより強固なものにする目的があったようです。
現代では、生活においてのトラブルが降りかからぬよう、家や土地の権利や範囲をきちんと取り決めます。
また、自分だけの物件を探すことは人生においての「夢」という認識があるのでは、と思います。
現代でも、ここは我が国我が居城!という強い所有感が、我々には根付いているのではないでしょうか。

 
人々の夢であった「城」はやがて没落し、存在したことさえも記憶が曖昧になっていきます。
その内部は、廃墟とも遺跡とも例えられない、得たいの知れない大きな個体・存在である気がしました。
まるで巨大な神霊・亡霊のようです。
それらは無数に存在し時に混ざり合い、繰り返し形成され、曖昧で不確かな建物として
現世では視認できない別の次元を彷徨っているのではないでしょうか。
それらは人々の記憶の混在でもあります。


2016年 9月3日(土)〜18日(日)
ギャラリーいのくま亭 京都

2015年7月10日金曜日

signs of buildings 展示風景・作品

Home#3~7 53×53cm




Home#2 162×162cm


Home#1 100×100cm







signs of buildings [Home#1~7]

2015
木製パネル , キャンバス , アクリル絵の具


私は街を歩き、住宅や店舗などの何気ない建造物をよく観ます。
全体の形、壁や窓などの色の配色といった、建物の正面がとても気になるのです。

時には様々な手が加えられ、日光や雨風に晒され、
だんだんと街の風景に馴染んでいく。
建物は、例えるなら道路に点在する標識のように、
人々の生活を表すsignのように感じます。

signという言葉には、標識・記号・象徴 ,,,などの他に、
署名という意味もあり、本人である・本人の物だということの強調としてよく使われます。
しかし、永久にそこに住む人の物ではありません。
いわゆる不動産という商品であり、限りあるものでありながら、
様々な生活が存在していることの主張を、一番表現している「作品」だと考えます。

2015年6月29日月曜日

情景反射











kyotocurrent2014 出品作品 「情景反射」
素材:ケント紙 , アクリル絵の具 , パステル , 水彩色鉛筆 , 接着剤

ある真夏の日に突然現れた、一時的なモニュメント。
豪雨による被害、街が水に浸かり、反射で建物が映る。今だに水がひかない震災によるダメージ、水たまりに映る瓦礫や青空は何故か美しかった。私が直接見て、あるいは新聞で知った限りでも、今年の夏は特に水が何かのモチーフを映しているという光景が印象に残っていた。

誰かが住んでいる何気ない家やビル、この異様な光景の中では全ての建物が、今後も心に残すべきモニュメントである。