2016年9月19日月曜日

2016 個展「castle」展示風景・作品 ギャラリーいのくま亭 京都
















the beginning of the adventure “冒険のはじまり”
2016 
32.6×26.5×5cm
ボード紙 , 下地剤 , パテ , 木製フレーム , 接着剤 , 製本テープ





night sentry “夜番”





church “教会”





atelier “工房”





barrier “関所”


consept

私は最近、新しい住まいに移り住みました。

たくさんの物件の中で、幾つかを見学しにいきました。
生活の面影が微塵も残っていないそれらの家屋は、
町の風景の中にぽっかり穴があいたような、なんだか闇に吸い込まれていきそうな気がして、
言い難い虚無感を覚えましたが、同時に神秘的な雰囲気をも感じました。
 
ところで、日本では家の主人のことを「一国一城の主」と表現することがあります。

かつて戦国時代に、一国一城令が徳川幕府により発令され、それまで何千とあった城をほとんど廃城にし、各 領国の大名のみが居住を許されました。勢力の統制を図り、徳川家の全国支配をより強固なものにする目的があったようです。
現代では、生活においてのトラブルが降りかからぬよう、家や土地の権利や範囲をきちんと取り決めます。
また、自分だけの物件を探すことは人生においての「夢」という認識があるのでは、と思います。
現代でも、ここは我が国我が居城!という強い所有感が、我々には根付いているのではないでしょうか。

 
人々の夢であった「城」はやがて没落し、存在したことさえも記憶が曖昧になっていきます。
その内部は、廃墟とも遺跡とも例えられない、得たいの知れない大きな個体・存在である気がしました。
まるで巨大な神霊・亡霊のようです。
それらは無数に存在し時に混ざり合い、繰り返し形成され、曖昧で不確かな建物として
現世では視認できない別の次元を彷徨っているのではないでしょうか。
それらは人々の記憶の混在でもあります。


2016年 9月3日(土)〜18日(日)
ギャラリーいのくま亭 京都

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